安全に運動を行うために運動は身体にすばらしい恩恵を与えてくれえる反面、一歩間違えると大きな事故にもつながる「両刃の剣」ともいえます。 健康促進、病気の予防や改善、ダイエットのために行った運動が寿命を縮める結果にも なりかねません。 運動を始めるにあたっては、運動は常に危険をともなうものだと心得て、十分な注意を はらってください。
寒いときには、末梢血管が収縮するために、血圧が上昇します。そこに運動による血圧上昇 が加わると、血圧はさらに高くなってしまいます。 高血圧症や脳血管に傷害のある人が、寒い季節に運動するときには十分な注意が必要 です。脳出血は寒さの厳しい1~2月に起こるケースが多く、しかも朝夕の気温の低い 時間に起こっています。血圧の高い人はもちろん、そうでない人も寒い時期は可能で あれば、日中の暖かい時間に行うようにしましょう。 その点、ラテラルサイトレーナーやエアロバイクは室内で時間に関係なく行えるという メリットがあります。 屋外で行う際は、帽子、手ぶくろ、マスクなどの防寒をしっかりしましょう。とくにマスクは 気管支が冷えるのを防ぎ、心臓の負担を和らげますのでお勧めです。 ご高齢の方や、屋外での運動から遠ざかっている方は十分注意して行って下さい。
暑い季節に多い事故は、熱中症で、そのほとんどが6~8月に起こっています。 6月に熱中症が多いのは、湿度が高いことと、暑い季節を迎える前で、発汗の機能がまだ 十分な状態ではないこともあるようです。 高温多湿のときの運動は十分に注意してください。 また、日差しの強いときには、紫外線に注意してください。紫外線は皮膚がんの原因に なったり、老化の元凶ともいわれる過酸化脂質をつくる原因となって、動脈硬化をすすめる 一因にもなりかねません。 こうした事故を防ぐためには、暑い季節には、紫外線の強い日中を避け、朝夕の涼しい ときを選んで運動しましょう。 脱水を予防するためには、水分の補給が必要です。とりすぎは疲れますので、汗の量に みあった水分補給が大切です。 また、運動中は発汗によって塩分も失われます。水だけを補給していると体調を崩すこと がありますから、失った量にみあった塩分(汗1リットルにつき3~9g)を補給しましょう。
運動療法を行うにあたっては、種目の選別を間違えると重大な事故を起こすことが あります。 例えば、高血圧症の人が筋トレをしたり、水泳を行うのは一般的に危険です。 また、早く結果をだしたいがために、強度を上げすぎて起こる事故も多いようです。 高血圧症、高脂血症など多くの成人病に有効な強度は60%です。 ただ一生懸命やればいいというものではありません。 運動はやみくもに長く続けていれば効果があるというものではありません。 時間が長すぎて疲労が貯まるような状態では逆効果です。 例えば、高血圧症の運動療法の効果の一つとして、末梢血管の弾力性がまして 血管抵抗が少なくなることがあげられます。 しかし、疲労状態で運動すると、かえって末梢血管の緊張が高まって、血圧を上昇させる ことにもなります。 運動を毎日行うことは、大変効果的ですが、疲労が貯まった状態で続けてはいけません。 この傾向は、運動の初心者に多いようです。 疲労を感じたら、1日おきにするなど、調整しながら行いましょう。 |